オリーブオイルとナッツが初めての心筋梗塞や脳卒中を30%減少!

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オリーブオイルとナッツ類を積極的に摂取することで、初めての心筋梗塞や脳卒中といった危険な心血管疾患イベントの発生率を約30%も減少するという、驚くべき研究成果が発表されました。この調査研究の概要をわかりやすく解説し、疑問点についても言及しています。

今回も引き続き、オリーブオイルの驚くべき健康効果について、過去に報告された研究成果の中から、注目すべきものを取り上げてみたいと思います。

高リスク者を対象とした初発予防効果を確認

これまでにも魚介類を中心として、野菜やナッツ類、フルーツをたっぷりと摂り、オリーブオイルをふんだんに使った地中海食が、心筋梗塞や狭心症、脳卒中などの心血管疾患の予防に有効であるとする多くの報告がありました。

そこで今回、心血管疾患の既往はないものの、以下に挙げる心血管疾患の危険因子のうち3つ以上を有している高リスク者を対象として、オリーブオイルやナッツ類の心血管疾患の初発予防効果を確認する調査研究がスペインで実施されました。

今回行われた調査研究の概要

今回の調査研究で対象となった心血管疾患の危険因子は次の通りです。

  • 糖尿病
  • 高血圧
  • 過体重または肥満
  • 悪玉コレステロール高値
  • 善玉コレステロール低値
  • 喫煙習慣
  • 家族歴(遺伝的因子)

これらの危険因子のうち、3つ以上を有している心血管疾患の高リスク者が対象となり、登録された55歳~80歳の全7,447例を、さらに以下の3群にランダムに割り付け、約5年もの長期に渡る追跡調査が実施されました。

  • 第1群 : オリーブオイル群 (※1)
  • 第2群 : ナッツ群 (※2)
  • 第3群 : 脂質制限群 (※3)

(※1) 1日に50ml相当のオリーブオイル(エキストラバージンオリーブ油)の摂取を目標とする群。
(※2) 1日にウォルナッツを15g、アーモンドを7.5g、ヘーゼルナッツを7.5gの摂取を目標とする群。
(※3) オリーブオイル群とナッツ群に対する対照群。具体的にはオリーブオイルを含む植物油の摂取を、1日にスプーン2杯以下に制限した脂質制限群。

その驚くべき調査結果は?

注目の調査結果は次の通りです。より具体的な数字を示すために、結果部分を引用してみます。

1次評価項目のMACE(心筋梗塞,脳卒中または心血管疾患死)は全例中288例(オリーブ油群96例、ナッツ群83例、対照群109例)に発生していた。

ベースライン時の各種心血管リスクを調整後のオリーブ油群の対照群に対するMACE相対リスクは0.70(95%CI 0.54~0.92、P=0.01)、ナッツ群の同リスクは0.72(95%CI 0.54~0.96、P=0.03)と有意に低下していた。食事に関連した有害事象の報告はなかった。

つまり、オリーブオイル群に割り当てられた人が、心筋梗塞や脳卒中などの心血管イベントを初めて発症したり、それが原因で死亡に至った人数は、対照群に比べて30%も少なかったという驚くべき結果が出たのです。

同様にナッツ群に割り当てられた人も、オリーブオイル群にはわずかに及ばなかったものの、対照群に比べて28%も少なかったのだとか。

この研究成果の意議について

心筋梗塞や脳卒中などの心血管イベントは、最悪の場合は死に直結します。また、一命をとりとめることができても少なからず後遺症を残す可能性があり、そうなった場合、その後の人生において大変な負担が強いられてしまいます。

この点に関しては、つい最近も、脳卒中を発症した人は、発症後5年以内に自殺や交通事故、転落事故などで死亡するリスクは、脳卒中を発症していない人に比べて約10倍も高いとの衝撃的な報告が発表されたところですね。

その意味においても、オリーブオイルとナッツ類が最初に経験する心筋梗塞や脳卒中などの心血管イベントを、大きく予防する可能性が示された今回の研究成果の意議は大きいと言えましょう。

この研究成果に対する2つの疑問点

以上、オリーブオイルとナッツ類の素晴らしい健康効果の可能性が、また一つ開かれたという大変興味深いトピックスなのですが…先に引用した記事を良く読んでみると、少しニュアンスが違って見えてきました。

特にこの部分です。

前2群では、シーフード、トマトやタマネギ、ハーブを含むソフリートと呼ばれるソースなど、典型的な地中海食の摂取も推奨された他、習慣的飲酒者に対しては1週間当たりグラス7杯以上のワインを食事と同時摂取することも許可。対照群では油脂分の他,地中海食の制限も実施された。

「前2群」、つまり…オリーブオイル群とナッツ群の2群には、オリーブオイルやナッツ類だけでなく、典型的な地中海食の摂取も推奨された他、お酒好きな人には食事と一緒にワインを飲むことも許可されていたのだとか。

逆に対照群である第3群には、オリーブオイルを含む植物油の摂取量を制限していただけでなく、それ以外の地中海食の制限も実施されていたようです。

純粋にオリーブオイルとナッツ類の心血管疾患の初発予防効果を確認するのであれば、対照群である第3群には、オリーブオイルとナッツ類の摂取のみを制限すべきであり、それらを除いた地中海食そのものまで制限する必要はありません。と言うか制限すべきではないと考えます。

オリーブオイルとナッツというよりも、地中海食の健康効果では?

地中海食のイメージ画像

と言うことは、今回の比較試験は、先に引用した記事のタイトルこそオリーブ油とナッツにスポットライトを当てていますが、メインテーマはあくまで地中海食と通常食との間の心血管疾患の初発予防効果を比較したものだったのかも知れませんね。

そしてサブ的に地中海食のグループを、地中海食の中心的存在であるオリーブオイルとナッツ類でさらに振り分けて、それぞれの効果の違いを確認したに過ぎないのかも知れません。

実際、発表された論文のタイトル「 Primary Prevention of Cardiovascular Disease with a Mediterranean Diet 」には、「 Mediterranean Diet = 地中海食」との記述はありますが、「オリーブオイル」という言葉も、「ナッツ」という言葉もありませんから・・・

以上、1つ目の疑問点は、研究成果に対する疑問というよりも、この研究成果を報じた記事に対する疑問点ということになりますね。

「30%」という数字に対する疑問

さらにもう一つ。この調査が実施されたのはスペインであることを考えると、対象となった被験者の中には、以前より地中海食を食べていた人が少なからずいたことでしょう。そしてこの試験では、そんな人達に5年もの長きに渡って、食べ慣れた地中海食を制限していたことになります。

純粋にオリーブオイル群とナッツ群の心血管疾患イベントの発生率が減少しただけでなく、対照群である第3群の人に、地中海食を制限されたことによるストレスが原因で発生率が上昇したという可能性も考えられるわけで、そうなってくると30%という数字自体も若干過大になっている可能性も否定できないのではないでしょうか。

以上、最後の最後にちょっとしたケチをつけてしまった感じですが、オリーブオイルやナッツ類による健康法を日々実践している自分としては、そして、心血管疾患の危険因子をいくつか有している身としては、今回の研究成果には大いに期待したいところではあります。

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Category : オリーブオイルの健康効果