ポリフェノール「レスベラトロール」の驚異の健康効果はウソ?

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赤ワインなどに含まれる健康成分であるポリフェノールの一種で、心臓病を予防し、細胞を若々しく保つアンチエイジングの効果も高いとして、最近特に注目されているレスベラトロール」について、今回、「その健康効果に疑問あり」との調査結果が発表されました。

レスベラトロールとは、ぶどうなどに多く含まれるポリフェノールの一つで、同じくポリフェノールの一種として有名なブルーベリーに含まれる「アントシアニン」、お茶に含まれる「カテキン」、大豆に含まれる「イソフラボン」などと並ぶ、非常に人気の高い栄養素です。

そもそも、このレスベラトロールが注目されるようになったのは、いわゆる「フレンチ・パラドックス(フランスの逆説)」がきっかけです。

「フレンチ・パラドックス」ってなぁに?

フレンチ・パラドックス(フランスの逆説)とは、フランス人は他の先進諸国の人々よりもチーズやバターなどの乳脂肪、肉類やフォアグラなどの動物性脂肪を非常に多く摂取しているにもかかわらず、なぜか心臓病による死亡率が低く、動脈硬化の患者も際だって少ないという、なんとも不思議な現象のことです。

確かにフランス人は一人当たりのお肉の摂取量は世界トップクラスですが、同時に一人当たり年間にして67リットルものワインを飲むと言われています。そこで、このワインの摂取こそが「フレンチ・パラドックス」を説明するカギなのではないかとの推測がなされました。

赤ワインに含まれるレスベラトロールに着目!

しかも赤ワインに含まれているポリフェノール「レスベラトロール」に着目し、このレスベラトロールこそが、フランス人の冠動脈疾患や狭心症、心筋梗塞などの心疾患を予防し、動脈硬化を予防・改善した栄養素の正体であると考えられるようになったわけです。

それ以降、まさに世界中で赤ワインの抗動脈硬化作用や、ポリフェノールが有する抗酸化作用によるがん予防効果、メタボリック症候群を予防する効果、最近では認知症を予防する効果まで、様々な健康効果を確かめる研究が行われ、有効性を示す報告も相次いでいました。

但し、赤ワインのどの成分が、これらの健康効果をもたらしているのかはいまだにハッキリとは分かっていないのが現状のようです。

レスベラトロールの長寿効果について

また、レスベラトロールは人間の体を構成している約60兆個もの細胞を、若々しく保つ効果があるとされてきました。と言うのも、レスベラトロールは今や長寿遺伝子として話題の”サーチュイン遺伝子”を活性化する作用をも有するとされていたからです。

サーチュイン遺伝子を活性化することにより、細胞の生まれ変わりを促進して、常に若々しい細胞へ生まれ変わらせる効果が期待できるというわけですね。

今や、このレスベラトロールのこの長寿効果に着目し、アンチエイジング効果や美肌効果を前面に押し出したサプリメントや健康食品が多数売り出されてる状況です。

レスベラトロールの健康効果に疑問符

今回、そんな驚異の成分「レスベラトロール」の健康効果のうち、心血管疾患の発症リスクやがん発症リスク、長寿効果について、アメリカのジョンズホプキンス大学の医師により一つの疑問が投げかけられました具体的に行われた調査と、その驚きの調査結果は次の通りです。

1998~2009年にイタリア・トスカーナ州のキャンティ地方(ワインの有名な産地である! )で行われた二つの加齢研究に参加した65歳以上の男女783人を追跡調査。被験者はいずれもレスベラトロール豊富な食事を日常的に摂っていた。

9年間の追跡調査期間中、268人が死亡し、174人が心血管疾患を、34人ががんを発症した。

それぞれ尿中レスベラトロール濃度を調べたところ、濃度が最も低い人と最も高い人の死亡率に有意差はなく、心血管疾患やがんの発症を予防する効果は認められなかった。

また、動脈硬化を反映する血中炎症マーカーにも、何ら影響はなかったのである。

この結果を踏まえて、研究者は次のように結論づけられています。

欧米型の食事パターンでレスベラトロールを摂っても、心疾患やがんの発症、長寿に影響するとはいえない

もっとも、このレスベラトロールの長寿効果については、実は数年前にサーチュイン遺伝子活性作用を証明したとされる研究データに改ざんが発覚したため、すでに大きな疑問符が付いていたようです。

今回の研究成果は、レスベラトロールのサプリメント商品が溢れる現状にあって、学説上では既についていたレスベラトロールの長寿効果についての疑問符を追認し、さらにレスベラトロールの心疾患予防効果、抗動脈硬化作用を否定したことになります。

調査研究に対する疑問

とは言え、いくらワインの有名な産地の住人を対象にしたとは言え、日常の食生活の中で、赤ワインなどで摂取できるレスベラトロールの量などたかが知れています。今回の調査研究に参加した人々の中に、サプリメントや健康食品でレスベラトロールを摂取していた人などそうはいなかったはず。

サプリメントを利用してレスベラトロールを意識して摂取している人と、そうでない人を比べるのならまだしも、日常生活の中で、そこそこレスベラトロールを摂取しているであろう人を対象にして、尿中のレスベラトロールの濃度が相対的に高い人と低い人を比べて結果が出なかったからと言って、それをもってレスベラトロールの健康効果が否定されたと考えるのは、いささか早計かも知れませんね。

ただ、これまで盲目的にレスベラトロールの健康効果を信じて、日々サプリメントや健康食品を摂取してきた人は、これまで摂取してきた中で本当にレスベラトロールにその効果があったかどうか、ここでじっくり見つめ直してみる良い機会だと考えます。

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