ホタルイカが脂肪肝の特効薬に!ヒトでの実験で初めて改善効果を確認

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これまでホタルイカに肝臓の中性脂肪を減少し、血中のコレステロール濃度を減らす効果があることは、マウスを使った動物実験レベルで確認されていました。そして今回、遂にヒトを使った実験でも、ホタルイカにヒトの脂肪肝を改善する効果が確認されました。

全国1千万人の脂肪肝予備軍に朗報!

2012年の春、まさにホタルイカが旬を迎えたちょうどその頃、富山短期大学食物栄養学科の竹内弘幸准教授らの研究グループにより、ホタルイカに肝臓の中性脂肪を減少し、血中のコレステロール濃度を減らす高い効果があることなどを、マウスを使った動物実験で初めて確認したとの発表がなされました。

脂肪肝とは飲み過ぎや食べ過ぎ、運動不足などの生活習慣の乱れにより肝臓に中性脂肪やコレステロールが溜まった状態を言います。言ってみれば肝臓の肥満症とも言える状態で、糖尿病や動脈硬化など様々な生活習慣病を引き起こす要因となり、放置すれば肝硬変や肝臓がんにも繋がることが懸念されています。

日本全国に1千万人超とも言われている脂肪肝予備軍にとって、このトピックスはまさに朗報で、さらなる研究の進捗が期待されていたわけですが、それから約1年半の歳月を経て・・・先日、遂に初めてヒトでの実験でも、ホタルイカに脂肪肝を改善する効果があることが確認されました。

今回は、この2つの研究成果の詳細について、順に詳しく見ていくことにしましょう。

2012年春に発表されたホタルイカの動物実験での有効性

これまでイカやタコに豊富に含まれているタウリンには、血液中の脂質を下げる働きがあることは、既によく知られていました。そこで、タウリンを豊富に含むスルメイカと比較検証することで、ホタルイカの有効性を確認しようと、次のようなラットを使った動物実験が行われました。

実験では、生後4週間のラット21匹を7匹ずつ3つのグループに分け、凍結乾燥させたホタルイカの粉末を5%混ぜた飼料、スルメイカの粉末を5%混ぜた飼料、通常の飼料をそれぞれのグループに2週間与えた後、6時間絶食させてから血液と肝臓を調べた。

この実験の結果、以下の3点についてホタルイカのずば抜けた効果が確認されました。

  1. 肝臓の中性脂肪量
  2. 血中コレステロール濃度
  3. 肝臓の脂肪合成に関係する遺伝子の働きを抑制

詳細を引用しておきましょう。

ホタルイカを与えたラットは、通常の飼料を与えた場合に比べ、肝臓の中性脂肪量が平均で3割減少した。スルメイカの場合は1割減にとどまった。血中コレステロール濃度も、ホタルイカでは2割減り、スルメイカでは1割減となった。さらに、最新の遺伝子解析技術を用い、ラットの肝臓の全遺伝子4万種以上を解析したところ、ホタルイカの摂取により脂肪合成に関係する遺伝子の働きが抑制されることも明らかになった。

特に、肝臓の中性脂肪量の減少効果が、単純にスルメイカの3倍もあったことは驚きですね!また遺伝子的に見ても肝臓で脂肪を合成する機能自体が抑制されていたという点も見逃せません。

以上のように、ホタルイカの脂肪肝に対する素晴らしい改善効果が多面的に確認されたわけですが、残念ながらこの段階では、あくまでマウスを使った実験での結果であって、それが必ずしもヒトに応用できるという保証はなかったわけです。

初めてヒトでの脂肪肝改善効果が確認された今回の実験

そしてそれから約1年半の歳月が流れて・・・ 先日、同じ研究チームの手により、遂にヒトに対する実験でも、ホタルイカによる肝臓脂肪を低下させる効果が確認できたとの発表がありました。今回行われた実験の詳細は次の通りです。

脂肪肝の6人を含む30~60代の男性7人に今年4、5月の4週間、 日曜を除く毎日、ゆでたホタルイカ40グラム(7、8匹)を、 普段の食事に加え食べてもらった。

この実験の結果、脂肪肝の状態にある6人の被験者のうち、3人に明らかな改善効果がみられました。具体的な改善程度を引用してみると・・・

それぞれ肝臓にまだらに脂肪がある「軽度」が「症状なし」、一部に脂肪のかたまりがある「中等度」が軽度、「高度」が中等度になっていた。

今後の課題とホタルイカへの期待

明らかな改善例が見られたことは大きな成果ではありますが、この記事を読む限り、まだ被験者の数が決定的に少ないと言えますね。また、改善効果の程度についても、軽度が症状なしに、中等度が軽度に、高度が中等度に・・・と、抽象的な表現である点が少し残念で、より客観的な数値による検証結果が欲しいところだと言えましょう。

さらに、ホタルイカに含まれるどういった成分が脂肪肝の改善に効果があったのか、その有効成分の特定がまだなされていません。血液中の脂質を下げる効果があるタウリンはホタルイカにも含まれていますが、ホタルイカに含まれるタウリンはスルメイカに含まれるそれよりも量的に少ないのだとか。だとするとタウリンの効果だとは考えづらいですね。

いずれにしても、ホタルイカから抽出した有効成分による実験ではなく、ただ単にボイルしただけのホタルイカでこれだけの結果が得られたことは特筆すべきであり、ホタルイカに秘められたポテンシャルの高さを実感すると同時に、今後のさらなる研究に期待せずにはいられません。

photo by sashimi / [cipher]
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Category : 健康・医学の最新情報