1日20mgの「L-92乳酸菌」で乳幼児のアトピー性皮膚炎を改善

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一日にたった20mgの「L-92乳酸菌」を継続的に摂取することで、乳幼児のアトピー性皮膚炎を改善することが最新の研究により確認されました。赤ちゃんのアトピー性皮膚炎発症のメカニズムや、乳幼児期における早期のアレルギー対策の重要性なども含めて詳しく解説しています。

赤ちゃんのアレルギーについて

二つの免疫細胞とアレルギー

人間の免疫システムでは、2種類の免疫細胞が活躍しています。一つは外部から体内に侵入した細菌の感染を防御するTh1細胞。そしてもう一つはアレルゲンの排除に関係した生体の防御システムであるTh2細胞です。

本来、この二つの免疫細胞は絶妙のバランスを保ち、免疫反応をコントロールしているのですが、食生活や生活環境の変化などによりそのバランスが崩れ、Th2細胞がTh1細胞より強くなってしまうと、様々なアレルゲンに反応するIgE抗体が過剰につくられてしまいます。つまり、このアレルゲンへの過剰反応こそが、様々なアレルギー症状となって現れるわけです。

赤ちゃんのアトピーは免疫細胞のバランスの乱れが原因

赤ちゃんはお母さんのお腹の中では、Th2細胞がTh1細胞よりも強い状態にあるのですが、通常は、出生とともにTh2細胞が自然と弱まり、Th1細胞とのバランスがとられます。

ところが、何らかの原因によりTh2細胞が強い状態のまま弱まらない場合があります。もちろんTh2細胞優位な状況はアレルギー症状が発症しやすい状況なわけで、実際、乳児期にアトピーが疑われる赤ちゃんのほとんどは、Th2細胞が強い状態であると考えられています。

とは言え、どれだけ優位な状況にあるTh2細胞も、1歳半~2歳くらいまでには自然と弱まるのが一般的で、やがてTh1細胞とのバランスがとられるようになると、乳児アトピーは自然と快方に向かいます。

つまり、乳児のアトピー性皮膚炎には特別な治療法はなく、環境整備やスキンケア、薬物療法といった、その赤ちゃんに合った治療法を根気強く続けながら、上記の免疫システムのバランスが自然と整うのを待つことになります。

乳幼児期のアレルギー対策の重要性

ところが、乳幼児期にアレルギーの素因を持った子供は、成長の過程でアトピー性皮膚炎や食物アレルギーなどのアレルギー疾患が重複して発症するケースが多く、近年のアレルギー研究においては、できるだけ早い時期に食物アレルギーやアトピー性皮膚炎を正しく診断し、適切な治療を受けることが何よりも重要であり、そうすることによって、さらなるアレルギーの発症を予防できることがわかってきました。

今回、カルピス株式会社、NPO法人アレルギー支援ネットワーク、あいち小児保健医療総合センターの伊藤浩明 内科部長らの研究グループにより、通常のアレルギー治療に加えて、1日にたった20mgの「L-92乳酸菌」を継続的に摂取することで、食物アレルギーを合併している乳幼児のアトピー性皮膚炎を改善することが確認されました。

乳幼児のアトピー性皮膚炎を改善した「L-92乳酸菌」とは?

「L-92乳酸菌」とは、カルピス株式会社が開発した新しい機能をもった乳酸菌の一つで、正式名称を「ラクトバチルス・アシドフィルス L92株」と言います。

先ほど、アレルギー症状はTh2細胞がTh1細胞よりも優位な状況で発症すると説明しましたが、この「L-92乳酸菌」は、なんとTh1細胞を活性化させる働きを持つことがわかっています。

すなわち、Th2細胞が優位になりTh1細胞とのバランスが崩れた状況にあって、この「L-92乳酸菌」はTh1細胞の活性化を図ることで、免疫のバランスを整え得る可能性があるわけです。

それでは、ここでその具体的な調査研究の詳細を引用しておきましょう。

あいち小児保健医療総合センター アレルギー科を受診した生後10カ月~3歳未満の、食物アレルギーを合併するアトピー性皮膚炎の患児59名(平均年齢1.8歳)を対象に、アトピー性皮膚炎の標準治療に加え、「L-92乳酸菌」の粉末食品を6カ月間毎日20mg摂取する群と、摂取しない対照群に分け、その効果を比較する試みを実施。

それぞれの群に対し、摂取開始前、摂取開始から1、3、6カ月後に、アトピー性皮膚炎症状スコア、血中マーカー、患児やその親の生活に関するアンケートによる調査を行った。

その結果、「L-92乳酸菌」を毎日20mg摂取した群は、アトピー性皮膚炎の症状に改善傾向が認められただけでなく、6カ月間「L-92乳酸菌」を摂取した後の血液中の総IgEの量が有意に低下していることも確認されました。

さらに、6カ月後のTARC(見た目ではわからないアトピー性皮膚炎の度合いを表す指標)の値も有意に低下していることも確認されたのだそうです。

多面的に確認された「L-92乳酸菌」の有効性と継続摂取による安全性も確認

今回の研究成果により、特に早期の段階での治療が重要な意味を持つと考えられる乳幼児のアトピー性皮膚炎に対して、「L-92乳酸菌」が有効に働く可能性が、アトピー性皮膚炎症状スコアだけでなく血液中の総IgE量、TARCというアトピーに関する重要な指標においても、一様に有効であるという結果が得られたことは非常に大きな意味があると言えます。

さらに付け加えるべきはその安全性で、研究チームは乳幼児が「L-92乳酸菌」を継続的に摂取することによる有害な事象が認められなかったことにも言及しています。そうなるともう、通常のアトピー治療に加えて、この「L-92乳酸菌」を有効に利用しない手はありませんね。

研究チームによると、今後は乳幼児だけでなく、高齢者など全ての年代のアトピー患者さんに対する有効性の評価はもちろんのこと、「L-92乳酸菌」がアトピーの症状を緩和・改善するメカニズムの解明のための検証も進めていく予定なのだとか。今後のさらなる研究に期待せずにはいられません。

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