マルチビタミンとセレンがエイズによる免疫低下と進行を食い止めた!

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日本でもおなじみのサプリメントであるマルチビタミンとセレンをあわせて摂取することで、エイズウイルス(HIV)に感染すると生じる免疫機能の低下を顕著に抑制し、エイズの進行も抑えることができたとの注目すべき研究結果について詳しく解説しています。

つい先日も、エイズウイルス(HIV)感染者が献血した血液が日赤の安全検査をすり抜けて2人に輸血され、うち60代の男性が感染したという大変ショッキングなトピックスが話題になりましたが、現在、日本国内の新たなHIV感染者は増加傾向にあると言います。

そんな折、米国医師会ジャーナル「JAMA」に、日本でもおなじみのサプリメントであるマルチビタミンとセレンが、エイズウイルス(HIV)感染初期における免疫機能低下を抑制し、エイズの進行も抑えたとの注目すべき研究結果が報告されました。

HIV感染によるビタミンやミネラルの欠乏が免疫機能に悪影響

エイズウイルス(HIV)への感染が認められた場合、早い段階で抗レトロウイルス療法を受けることが推奨されていますが、エイズウイルス(HIV)に感染すると、初期の段階から体内のビタミンやミネラルなどの微量栄養素の低下が生じ、このことが免疫機能に悪影響を及ぼすことは以前から知られていました。

このビタミンやミネラルの欠乏に対して、サプリメントが有効に働くとの報告はこれまでにもあったのですが、研究チームは抗レトロウイルス未治療の成人HIV感染者の初期段階に、マルチビタミンとセレンのサプリメントを摂取することが、免疫機能やエイズの進行にどのように影響を及ぼすかを調べました。

ボツワナで実施された調査研究の詳細

研究チームは2004年12月~2009年7月にかけて、HIV感染率が世界で最も高い国の一つであるボツワナで治療中の878人のHIV患者を、以下に示した4群に無作為に分けてそれぞれに決められたサプリメントを摂取させ、24ヶ月後に免疫機能やエイズの進行状況の目安となる血中のウイルス量やCD4細胞数を調べました。

  1. マルチビタミンのみ(219人)
  2. セレンのみ(216人)
  3. セレン+マルチビタミン併用(220人)
  4. プラセボ【偽薬】群(217人)

※ 調査に使われたサプリメント(一日量)

マルチビタミン

  • ビタミンC:500mg
  • ビタミンE:30mg
  • ビタミンB6:25μg
  • ビタミンB12:50μg
  • 葉酸:800μg
  • チアミン:20mg
  • リボフラビン:20mg
  • ナイアシン:100mg

セレン:200μg

CD4細胞数でエイズの進行度と免疫力がわかる

ちなみにCD4細胞数はエイズウイルス(HIV)感染症の進行度と、現時点での免疫力を表す重要な指標です。このCD4細胞数は正常時には血液1マイクロリットルあたり700~1300個であるのに対して、HIVに感染した場合その数値は徐々に低下。500個程度になると帯状疱疹や結核、カポジ肉腫などを起こしやすくなり、200個を切ったHIV陽性患者はエイズ(AIDS)と診断されます。

マルチビタミンとセレンのサプリメント併用でのみ顕著な効果が!

その結果、マルチビタミンのみ、セレンのみの摂取ではプラセボ(偽薬)群との差が特に認められなかったのに対して、マルチビタミン+セレンのサプリメント併用群で、CD4数の減少がプラセボ群に比べて顕著に抑制されていたことが判明しました。具体的にはCD4数が血液1マイクロリットルあたり250個未満となるリスクが54%も低下していたのだとか。

つまり、マルチビタミンとセレンを併用摂取することにより、免疫機能の低下が抑えられることが示唆されたわけです。同時に、マルチビタミン+セレン併用群でのみ、エイズ関連死のリスクも44%低下していたことから、エイズの進行を抑える効果も確認されました。

今後の展望と期待

より早期の段階からのサプリメント療法の可能性

今回の対象者はCD4細胞数が血液1マイクロリットル当たり350個以上と、ある程度病状が進んだ患者さんを対象とした研究でしたが、エイズウイルス(HIV)に感染したより早い段階から、このマルチビタミンとセレンのサプリメントを摂取することでHIVの治療に一定の効果が期待できる可能性が出てきたわけです。

発展途上国におけるHIV患者の救済

この研究が実施されたボツワナのように医療資源が限られ、まだ抗レトロウイルス薬が充分に備わっていない発展途上国は少なくありません。今回の研究成果は、より入手が容易なサプリメントでエイズウイルス感染者の発症を遅らせたり、抗レトロウイルス療法以外の新しい治療法の開発に繋がると言えましょう。

抗レトロウイルス療法とサプリメント療法の併用による相乗効果にも期待!

また、今回は抗レトロウイルス療法を受けていない患者を対象にして行われた研究でした。今後は、抗レトロウイルス療法を受けている患者に対してもサプリメントの効果があるのかについて検証されることでしょう。抗レトロウイルス療法とサプリメント療法の併用により、さらなる相乗効果が認められれば素晴らしいですね。

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Category : サプリに関する最新報告