進行がん治療に光!たった10日間でキラーT細胞を作るシステムを開発

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特定のがん細胞だけを狙い撃ちにできる「キラーT細胞」をたったの10日間で作り出すシステムの開発に成功しました。これまでの技術では3ヶ月もの時間を要していたプロセスを、たったの10日間に短縮!これにより進行がんの治療に一筋の光が差したと言えます。

がんの性質はさまざま。同じがんでも人それぞれ

がんは遺伝子の突然変異が蓄積した結果として起こり、身体のあらゆる部位にできる可能性があります。「肺がん」や「胃がん」、「大腸がん」など、がんは一般に最初にできた場所の名前をとって呼ばれますが、その性質は様々で、たとえ同じ部位にできたがんであっても、人によってその症状や進行度合い、最適な治療法なども異なってきます。

注目の免疫力を利用したがん治療法

そこで昨今、注目を集めているのが、患者さんにもともと備わっている免疫力を利用した「キラーT細胞」を使ったがん治療法です。キラーT細胞は体内のがん細胞やウイルスを見つけて、そこだけを狙って攻撃することができるので、キラーT細胞のクローンを人為的に作り出して、これを体内に送り込むことで、非常に効果的、かつ副作用の少ない治療が可能となるわけです。

とは言え、キラーT細胞はそのままではがん細胞を攻撃しません。一旦、身体の外にキラーT細胞を取り出し、標的となるがん細胞を教えこむ必要があります。これまでの技術では、そのプロセスに3ヶ月もの長い時間がかかっていました。特に進行がんと戦っている患者さんにとって、この3ヶ月という作製期間は長すぎると言わざるをえませんね。

キラーT細胞に標的を教え込む遺伝子を短期間で抽出するシステムの開発に成功!

ところが今回、富山大の村口篤教授・岸裕幸准教授らの研究グループは、高精度の遺伝子解析技術を応用することで、ヒトの血液中からがん細胞やウイルスをピンポイントで攻撃する働きのある遺伝子であるT細胞受容体遺伝子TCR遺伝子)を短期間で抽出するシステムの開発に世界に先がけて成功しました。

これにより、患者さんの体内から取り出した標的を持たないキラーT細胞に、抽出したT細胞受容体遺伝子(TCR遺伝子)を組み込むことで、患者さんに特有ながん細胞だけを攻撃するキラーT細胞のクローンを、たったの10日間で作り出すことに成功したわけです。

もっとも、がん細胞を狙い撃ちしてくれる細胞とは言っても、やはり遺伝子操作をした細胞を体内に戻すわけですから、作製したキラーT細胞を実際に患者さんの体内に送り込んだ時に、悪影響が出ないとは言い切れません。いまだいくつかのクリアすべき課題が残っているようですが、少なくとも進行がんに対する治療に一筋の光が差した言える素晴らしい研究成果だと言えましょう。

via. http://iryou.chunichi.co.jp/article/detail/20131015150716393

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Category : 健康・医学の最新情報