遂にiPS細胞を使った加齢黄斑変性の臨床研究始動!患者の募集始まる

Category : 加齢黄斑変性症
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iPS細胞を使った世界初の加齢黄斑変性患者の網膜を再生する臨床研究がスタートしました。現在、先端医療センター病院でこの臨床研究への参加を希望する患者さん6名を募集しています。その詳しい選択基準や除外基準、具体的な治療方法などを解説しています。

本日、2013年8月1日より、遂に世界で初めてのiPS細胞(人工多能性幹細胞)を使った、加齢黄斑変性患者の網膜を再生する臨床研究がスタートしました!それに伴い、神戸市にある先端医療センター病院で、この臨床研究への参加を希望する加齢黄斑変性の患者さん 6 名の募集が始まりました。

募集している患者さんの条件は?

具体的な対象者の条件を簡単にまとめてみると・・・

  • ”滲出(しんしゅつ)型”加齢黄斑変性の患者さん
  • 年齢が50歳以上の患者さん
  • 視野の中心部分が暗いなどの症状がある
  • 矯正視力が0.3未満である
  • これまでに通常の治療(眼球注射など)を受けて効果がなかった方
  • 現状の治療では再発を繰り返す方

これらの条件を全て見たす必要があるのだとか。
より厳密な選択基準、除外基準は末尾に記載しています。)

この臨床研究への参加を希望される方は、主治医と相談の上、紹介状と検査データを一緒に下記「先端医療センター病院 眼科」宛てに郵送すれば、簡易判定が実施された後、臨床研究に参加できる可能性があるかどうかを知らせていただけるのだそうです。

書類の郵送先
先端医療センター病院  眼科
〒650-0047  神戸市中央区港島南町2-2

臨床研究に関する質問
先端医療センター病院
〒650-0047  神戸市中央区港島南町2-2
TEL:  078-304-5200 (代表)

簡易判定により臨床研究に参加できる可能性のあると認められた方は、後日、神戸市立医療センター中央市民病院眼科外来をあらためて受診することになります。当然ですが、最終的に臨床研究に参加できるかどうかは、診察・検査を受けるまではわからないとのこと。

実際にどういう網膜再生治療が行われるの?

実際の臨床研究では、患者さんの腕から採取した皮膚組織を使って作製したiPS細胞を、網膜色素上皮細胞に変化させてシート状(RPEシート)にし、網膜に穴を開けて異常な血管や傷んだ色素上皮を取り除いた部分に移植します。移植用の iPS 細胞由来のRPEシートができるまで 10 か月程度の時間がかかり、実際に移植が行われるのはその後になります

網膜再生治療の実際

なお、今回の臨床研究の主目的は手術や細胞の安全性を確かめ、移植した細胞がきちんと生着し、がん化していないかを調べ、今後より多くの患者さんの治療ができるようにするためのものです。ゆがみが改善するなどの効果がある可能性がありますが、視力の大幅な改善を期待するものではないということにご注意ください。

主治医向けに公表されている臨床参加患者の選択・除外基準

選択基準

  1. 少なくとも一眼が滲出型 AMD(特殊型を含む)と診断されている患者
  2. 同意取得時の年齢が 50 歳以上の患者
  3. 中心窩下に CNV、瘢痕形成または網膜色素上皮裂孔を認める滲出型 AMD の患者
  4. 被験眼の矯正視力が手動弁以上 0.3 未満の患者
  5. 被験眼が標準治療(目安としてルセンティス投与を、導入を含め合計4回以上実施)後も、滲出性変化が残存するもしくは再発を繰り返す患者
  6. マイクロペリメトリ―(MP-1)による視感度測定において、中心半径 4°以内の平均感度が 5db 以下の患者
  7. 本臨床研究について十分に理解した上で、文書による同意が得られた患者

除外基準

  1. 眼感染症を合併している患者
  2. その他の網膜疾患(糖尿病網膜症、高血圧網膜症、血管閉塞等)を合併している患者
  3. 視神経萎縮の確認された患者
  4. 眼圧コントロールのできない緑内障の患者
  5. 重度の肝障害(AST または ALT が 100 IU/L 以上)の患者
  6. 透析を要する重度の腎機能障害の患者
  7. B 型肝炎ウイルス抗原、C 型肝炎ウイルス抗体、ヒト免疫不全ウイルス抗体、成人 T 細胞白血病ウイルス抗体、梅毒血清反応陽性の患者
  8. 抗生物質(ペニシリン、ストレプトマイシン)、ウシ血清にアレルギーのある患者
  9. 抗凝固薬または抗血小板薬を、移植前に中止できないと当該診療科の主治医が判断した患者
  10. 全身麻酔に不適切と麻酔医が判断した患者
  11. 悪性腫瘍の合併または5年以内の既往のある患者
  12. インドシアニングリーンおよびフルオレセインに対して薬剤アレルギーの既往を有する患者
  13. 妊娠中もしくは授乳中の患者。妊娠している可能性のある患者(男性または閉経後 2 年以上経過している患者、不妊手術を受けているものを除く)。患者本人もしくはパートナーが妊娠を希望している患者
  14. 同意取得前 1 か月以内に他の治験または臨床研究に参加していた患者
  15. その他研究責任者または研究分担医師が不適当と判断した患者

これらの選択基準を全て満たし、除外基準のいずれにも当てはまらない患者さんが対象とのことです。より詳しい情報は下記のPDFファイル、Webサイトを参照してください。

iPS細胞由来網膜色素上皮(RPE)シート移植に関する臨床研究について関心をお持ちの患者さんへのお願い (PDFファイル)
「滲出型加齢黄斑変性に対する自家iPS細胞由来網膜色素上皮シート移植に関する臨床研究」の研究開始について」 : 理化学研究所

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