ES細胞から培養した網膜細胞を失明したマウスに移植して視力回復に成功

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マウスのES細胞から適切に分化させた網膜細胞を、失明したマウスの網膜に移植することで、見事に視力を回復させることに成功しました。この注目すべきトピックスのどの点がポイントなのか?管理人なりの理解に基づいて、精一杯噛み砕いた表現で解説してみました。

ロンドン大学ユニバーシティー・カレッジのロビン・アリ氏率いる研究チームは、マウスのES細胞から分化させた”光を感じることができる網膜細胞”を、失明したマウスの網膜に移植し、見事に失明マウスの視力を回復させることに成功しました。

今回はこの注目すべきトピックスについて、管理人なりの理解に基づいて記事にしてみることにしました。この分野の記事は、ともすれば難解になりがちです。そこで、この分野にはあまり詳しくない人でもサラっと読み流すことができるよう、できるだけ難解な表現は避けるように心がけた結果、厳密に言えば正確性に欠けるような表現をあえてしてる部分があったりします。

また、管理人の私自身、この分野の専門家ではありませんから、ひょっとすると間違った理解をしてる部分もあろうかと思います。それらの点をご了承いただいた上で、ただ気軽な読み物として読み流していただけると幸いです。

まず、元のニュース記事はコチラです↓
ES細胞培養移植でマウスの視力回復に成功、英研究

失明マウスに網膜細胞を移植することで視力を回復

アリ氏の研究チームはこれまでの研究で、健康なマウスの網膜から直接採取した”光を感じることができる網膜細胞”を、失明したマウスの網膜に移植して視力を回復することが可能なことは既に明らかにしていました。

そして今回、マウスの胚から採取したES細胞を実験室で培養し、移植の目的となる細胞にまで適切に分化させた上で、失明したマウスの網膜に移植し、視力を回復することに成功したわけです。

ポイントは移植に必要な網膜細胞の調達方法

つまり、今回の最新の研究は、移植のために用意する細胞を、健康なマウスから直接採取したのではなく、ES細胞から適切に分化させることにより調達したという点がポイントであると思われます。なぜなら、ES細胞は無限に増殖させることが可能であるという性質を有しているからです。

これらの実験結果が指し示す大いなる可能性

より具体的には、もしも、これらの実験結果がマウスだけでなく人間にも当てはまるとすると、次のような大いなる可能性が見えてくるわけです。

  • 網膜色素変性や加齢黄斑変性などの目の難病により失った”光を感じることができる網膜細胞”を、患者の網膜に移植することで視力を回復することが可能であるとしたら・・・
  • しかも、移植するための網膜細胞は、健康な人の網膜から採取するのではなく、ES細胞を適切に培養したものを利用できるとしたら・・・
  • さらにES細胞の無限増殖性により、移植に必要な網膜細胞を無限に供給することができるとしたら・・・

夢は広がるばかりです。

ES細胞の問題点について

ちなみにES細胞には2つの大きな問題があって、その一つは、ES細胞を得るためには必ず受精卵を必要とするという倫理的な問題。そしてもう一つは遺伝子の異なる細胞を移植することによる拒絶反応の問題です。

前者についてはとりあえず置いておくとして、後者の「拒絶反応の問題」については、移植する部位によって拒絶反応の発生率が異なるのだそうです。そして、まさにこのトピックスの網膜細胞は拒絶反応が起こりにくい部位なのだとか。このこと一つとっても、この研究成果が照らす未来を明るくしてくれているように感じました。

今、再生医療の実現へ大きな一歩が踏み出されようとしています

まもなく加齢黄斑変性の患者さんに対するiPS細胞を使った人類初の臨床研究が始まろうとしています。もちろんここから先は人類の未知の領域なわけですから、ひょっとすると予想もできなかったような困難な問題が生じるかも知れません。しかし、これまでの既存の治療法ではどうにもできず、光を失ってしまった人々に、再び光を取り戻す可能性が開かれたわけです。今後のさらなる研究、そして医学の進歩に大いに期待しましょう!

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Category : 健康・医学の最新情報