おしゃぶりの口腔洗浄が赤ちゃんの喘息やアトピーの発症率を劇的に抑制!

赤ちゃんのおしゃぶりの洗浄方法の一つで、親が一旦口に含んだおしゃぶりを赤ちゃんに与える「口腔洗浄」が、赤ちゃんのその後の喘息やアトピー性皮膚炎などのアレルギー症状の発症率を劇的に減少させる可能性があることがわかりました。その秘密に迫ります!

おしゃぶりの口腔洗浄で赤ちゃんのアレルギー発症を驚異的に抑制!

赤ちゃんのおしゃぶりの洗浄方法について調べてみると、単なる水洗いや熱湯洗浄、煮沸洗浄、さらには消毒液洗浄にマイクロ波洗浄などなど、様々な洗浄方法があるようですが、今回、スウェーデンで行われた調査研究で、ママやパパによるおしゃぶりの「口腔洗浄」による場合・・・つまり、おしゃぶりを介して親の唾液を摂取した赤ちゃんが、そうでない赤ちゃんに比べて、18ヶ月後の喘息発症リスクが9割、アトピー性皮膚炎発症リスクが6割も減少していたという驚くべき結果が出たことをご存じですか?

赤ちゃんのアレルギー発症率が増えている理由は衛生的過ぎる環境に

近年、特に先進諸国において、気管支喘息やアトピー性皮膚炎、花粉症などのアレルギー性疾患を発症する子供達が増えています。子供のアレルギー疾患の発症には、遺伝をはじめ様々な複合的な要因が関与していると考えられていますが、現在のところ最も根拠のある説明が「衛生仮説」と呼ばれる学説だと言われています。

衛生仮説」は、赤ちゃんを取り巻く環境が極端に衛生的になり過ぎることによって、乳幼児期に十分な量の病原菌に触れることができず、その結果として赤ちゃん自身の免疫系の発達が阻害されてしまうことになると。そして、それこそが後にアレルギー性疾患を発症させる原因となっているというものです。

確かに、最近では「除菌・殺菌」を高らかに謳う商品が身のまわりに溢れています。そう言う物質的に豊かになった国々で、気管支喘息やアトピー性皮膚炎、花粉症などのアレルギー疾患を発症する子供達が増えているという現状を説明するには、実に理にかなった学説だと言えましょう。

もっとも、この「衛生仮説」には未だ不明な点も多く、最近ではこの学説とは矛盾するようないくつかの調査結果も報告されています。とは言え、まだこの学説を完全に否定することもできず、むしろ免疫学の進歩とともに、「衛生仮説」自体も変化(進化)していると言っても良いかも知れませんね。

と、話が少しそれてしまいました。メイントピックスである「おしゃぶりの口腔洗浄」に関する調査に話を戻しましょう。

おしゃぶり「口腔洗浄」に関する注目の調査方法と驚くべき調査結果

親が口の中に含んだおしゃぶりを赤ちゃんにくわえさせる「口腔洗浄」を習慣化していた場合の、赤ちゃんのその後のアレルギー疾患発症率を調査し、親の唾液によるアレルギー予防効果を調査したこの研究の具体的な調査対象及び調査方法は次の通りです。

対象は、1998~2003年に妊娠していた女性206人から生まれた児のうち、妊娠38週未満や新生児集中治療中などを除く出生後1~3日の新生児184人。

両親が記録した離乳、食事、疾患、服薬などのデータを6カ月時および12カ月時に電話インタビューで収集。6カ月時の電話インタビューでは、児のおしゃぶり使用の有無と“洗浄”方法(熱湯、水道水、親の口腔内から選択で複数回答可)を尋ねた。

そして、その注目すべき調査結果は・・・

おしゃぶりを熱湯洗浄した場合と、水道水などで洗浄した場合を比較したところ、その後の喘息の発症率に関しては熱湯洗浄した場合にのみ、若干の上昇傾向が見られたものの、アトピー性皮膚炎および喘息のいずれの発症率においても特に大きな違いは見られませんでした。

これに対して、親が一旦口に含んだおしゃぶりを赤ちゃんに与える「口腔洗浄」を習慣化していた場合と、水道水で洗浄した場合とで、そのアレルギー症状の発症率を比較してみたところ、口腔洗浄をしていた場合の方が…

  • アトピー性皮膚炎の発症率が約6割減少
  • 喘息の発症率が約9割減少

と言う驚くべき結果が得られたのだそうです。

何故おしゃぶりの口腔洗浄がアレルギーの発症率を減少させたのか?

今回の調査に当たったスウェーデン・クイーンシルビア小児病院小児アレルギー科のBill Hesselmar氏は、この注目すべき調査結果について次のように述べられています。

出生後早期での腸内細菌獲得がアレルギー疾患の発症を予防するとされているが、今回の研究により、親の口腔内“洗浄”でおしゃぶりを介して細菌が児に移され、アレルギー疾患の発症を抑制した可能性が示唆された。

赤ちゃんに喘息やアトピー性皮膚炎などのアレルギー症状が発症した場合、赤ちゃん本人が一番辛いのは当然ですが、症状に苦しむ様子を目の当たりにしなければならないご両親やご家族にとっても、まさに我が身が引き裂かれるかのような辛い思いをしなければなりません。そんな辛いアレルギーの発症率を、おしゃぶりの口腔洗浄という安全、かつごくごく簡単な方法で劇的に下げることができるのであれば、こんな嬉しい話はないと言えますね。

おしゃぶりの口腔洗浄で注意すべきピロリ菌との関連について

ただし、これまでにも何度かとりあげてきたのですが、子供達のピロリ菌感染の大きな原因の一つはママやパパの唾液を介しての感染だと考えられています。ですので、おしゃぶりの口腔洗浄を実践する前には、パパやママのピロリ菌感染の有無を確認し、場合によってはしっかりと除菌してからにした方が良いかもしれません。(※注意)

(※注意)
特に幼少期に限って言えば、ピロリ菌への感染は正常な免疫機能の発達のために有用であるという説もあるようです。もちろん大人になってもピロリ菌が居座っていれば、それが胃がんの大きな原因になってしまうわけですが、大人になった時点で除菌しさえすれば良いだけであって、たとえピロリ菌を除菌したからと言って、幼少時に形成された免疫機能が減じるようなことはないとのことです。

とは言え、大人のピロリ菌除菌の有用性は変わるものではありませんし、赤ちゃんにピロリ菌をうつすためにパパやママが、胃がんの大きな原因となりうるピロリ菌を保菌しておく理由にはならないと考えます。また、ピロリ菌除菌は費用の面では公的医療保険の適用範囲が広がって楽になったと言えますが、除菌治療が必ず成功するとは限らないこと、さらに時には副作用が出る場合もありますので、あえて大切なお子様へのピロリ菌感染を徹底的に防ぐという考え方も当然あるかと思います。

ピロリ菌の危険性や除菌治療に関しては上記の記事を参考にしていただければと思います。

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Category : 健康・医学の最新情報