青魚に豊富なオメガ3脂肪酸でうつ病リスク半減!サラダ油をアレに変えれば効果アップも

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今回、日本人を対象とした25年の長期に渡る大規模調査において、日頃から魚介類を積極的に食べている人は、うつ病の発症リスクが顕著に低く、最大で半減している可能性が示されました。この研究成果の詳細と、現時点における活用法について様々な角度から考えてみました。

先日、国立がん研究センターと慶応大の研究チームにより、普段から魚介類を積極的に食べている人は、そうでない人に比べてうつ病の発症リスクが顕著に低くなり、最大で半減している可能性をも示す注目すべき報告がありました。

ストレス社会を生きる我々にとって、今や誰もが多かれ少なかれうつ病リスクを抱えていると言っても過言ではありません。普段から魚介類を積極的にいただくことで、うつ病リスクを抑えることができるのであれば、こんなに嬉しいことはありませんね。

今回はこのトピックについて詳しく見ていきながら、現時点での活用法などを多角的に考えてみたいと思います。例によって結論のみ知りたい方は、下記リンクからどうぞ。

オメガ3脂肪酸の抗炎症作用と健脳効果に着目

うつ病研究はこれまで様々な角度から進められてきましたが、近年その予防策の一つとして大きな注目を集めているのが、普段から摂取する栄養面での対策です。

その中でも魚介類、特に青魚に豊富に含まれる有効成分である、EPA(エイコサペンタエン酸)をはじめとするオメガ3脂肪酸とうつ病発症との関連を調べる研究が、主に欧米諸国で盛んに行われてきました。

というのも、オメガ3脂肪酸には抗炎症作用(炎症を抑える作用)があり、脳内で情報伝達に関わる物質の合成や脳神経を保護する作用などの健脳効果があるとされているからです。

実際、これまで実施された研究により、うつ病患者の血液中のオメガ3脂肪酸が健常者に比べて低いことが明らかになっていますし、オメガ3脂肪酸(n-3系脂肪酸)が、うつ病の予防・改善に効果がある可能性を示す複数の報告も寄せられていました。

世界初!今回の研究成果の意議

しかし、これまでの研究結果については、国土の四方を海に囲まれ、魚介類の摂取が比較的多い日本人を対象とした研究が少なく、また、うつ病の診断についても、精神科医による厳密な診断を伴っていないなどの指摘がありました。

今回の研究成果は、日本人を対象とした大規模な疫学調査によるものであり、かつ、精神科医によるうつ病診断を伴った世界初の成果であるという点に大きな意議があると言えます。

研究の詳細と注目の分析結果について

今回の調査研究は、1990年に40~59歳だった長野県南佐久郡の住民1,181人を25年に渡って追跡調査し、下記に挙げた魚介類、及び、オメガ3脂肪酸の各栄養素別の摂取量とうつ病発症との関連をアンケートにより調べたものです。

さけ・ます、かつお・まぐろ、あじ・いわし、しらす、タラコといった魚卵、ウナギ、イカ、タコ、エビ、アサリ・シジミといった貝類、かまぼこといった加工食品、干物など

25年の追跡期間中に精神科医によってうつ病と診断されたのが 1,181人中 95人で、日々の魚介類およびオメガ3脂肪酸の摂取量とうつ病の発症率との関連について詳細に分析されました。

その具体的な分析結果は次の通りです。

その結果、1日に57g(中央値)魚介類を食べるグループと比較して、1日に111g(中央値)魚介類を食べるグループでうつ病リスクの低下がみられました。

同様にn-3系脂肪酸摂取とうつ病との関連では、エイコサペンタエン酸(EPA)を1日に200mg(中央値)摂取するグループと比較して、1日307mg(中央値)摂取するグループ、また、ドコサペンタエン酸(DPA)を1日に67mg(中央値)摂取するグループと比較して、1日123mg(中央値)摂取するグループでうつ病リスクの低下がみられました。

下のグラフは、上記のサイトに資料として掲載されていたグラフを元に、見やすいように関連部分のみをクローズアップしたものです。

魚介類及び、オメガ3脂肪酸であるエイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサペンタエン酸(DPA)の摂取量によって、被験者を4つのグループに分け、最も摂取量が少ないグループ(各項目の一番左側の最も色が薄い棒グラフ)のうつ病発症数を基準とした時の、その他のグループのうつ病発症率を表しています。

魚介類、EPA、DPAの摂取量とうつ病発症率との関連を表した棒グラフ

それぞれをもう少し具体的に見ていきましょう。

魚介類の摂取量とうつ病リスク

まずは魚介類の摂取量とうつ病リスクの関連について。

棒グラフの色が濃いほど魚介類の摂取量が多いグループであることを意味しており、分析の結果、うつ病リスクが最も低かったのは、1日あたり111gの魚介類を平均して食べていた第3グループでした。

魚介類の摂取が最も少なかった第1グループの摂取量が、1日当たり平均57gですから、最もリスクが低かったグループは、そのおよそ2倍の量を平均して食べていたことになりますね。

そして、この時のうつ病リスクのオッズ比(※)が 0.44 ですから、第3グループのうつ病リスクは、第1グループに比べて56%も低かったことを示しています。

※オッズ比とは、第1グループのうつ病リスクを“ 1 ”とした時の、その他のグループのうつ病発症率を表す比率です。

EPAの摂取量とうつ病リスク

次に、オメガ3系脂肪酸のうちエイコサペンタエン酸(EPA)の摂取量とうつ病リスクとの関連について。

EPAの摂取量が最も少なかった第1グループが、1日当たり平均して200mg摂取していたのに対して、うつ病リスクが最も低かった第2グループのEPA摂取量は、その約 1.5倍に相当する 307mgでした。

第2グループのうつ病リスクのオッズ比は 0.54 ですから、EPA摂取量が最も少なかった第1グループに比べて、うつ病リスクが 46%低下していたことを示しています。

DPAの摂取量とうつ病リスク

さらに、同じくオメガ3系脂肪酸のうちドコサペンタエン酸(DPA)の摂取量とうつ病リスクとの関連について。

DPAの摂取量が最も少なかった第1グループが、1日当たり平均して67mgしか摂っていなかったのに対して、うつ病リスクが最も低かったのは第3グループで、そのDPA摂取量は123mgでした。

第3グループのうつ病リスクのオッズ比は 0.42 ですから、このグループのうつ病リスクは、DPA摂取量が最も少なかったグループに比べて 58%も低下していたことになりますね。

魚介類、EPA、DPAの積極摂取でいずれもリスクが半減する可能性

いずれも摂取量が最も少ないグループと比べると、魚介類やEPA、DPAの摂取量を増やすことによって、うつ病の発症リスクが最大で約半減していることがわかります。

オメガ3脂肪酸の中でEPA(エイコサペンタエン酸)のうつ病に対する予防・改善効果については、これまでにも複数の報告がありましたが、同じn-3系脂肪酸であるDPA(ドコサペンタエン酸)についての同効果については、これまでほとんど知られていませんでした。

この点について明らかにしたことも、今回の研究成果の大きな意議であったと言えますね。

なぜ魚介類やオメガ3脂肪酸を摂りすぎるとリスクを抑える効果が弱まったのか?

今回の研究結果においてもう一つ注目すべきポイントは、先ほどのグラフを見ていただければ明らかですが、魚介類やEPA、DPAの摂取量が多ければ多いほどうつ病リスクが低下するわけではなかった点です。

いずれもある摂取水準を超えると、うつ病リスクが再び増加に転じる傾向が見られたのです。この点について研究チームは、次のように説明されています。

魚介類を積極的に食べる人は野菜を食べる量も多く、これを揚げたり炒めたりと加熱調理するために使うサラダ油の量がどうしても増える傾向があると。

そして、このサラダ油に含まれるオメガ6脂肪酸は、オメガ3脂肪酸と同じ不飽和脂肪酸ですが、オメガ3脂肪酸とは逆に炎症を引き起こす作用があることから、これが魚介類やEPA、DPAのうつ病に対する効果を打ち消した可能性があるのだとか。

サラダ油の使用を減らすことを考えてみる

だとすれば、魚介類を積極的に食べるにしても、サラダ油の使用を増やさなければ、オメガ3脂肪酸のうつ病に対する優れた効果を最大限に引き出せる可能性があるんじゃない?そんな風に考えたくなりますよね。

そもそもオメガ6脂肪酸は、オメガ3脂肪酸のαリノレン酸と同じ必須脂肪酸の一つで、体内で合成できないため食物から摂取する必要のある脂肪酸です。

しかし、外食や中食(コンビニやお弁当屋さんのテイクアウト)で使用される食用油のほとんどが、安価で使いやすいサラダ油であることを考えると、我々日本人はオメガ6脂肪酸を既に取り過ぎている傾向にあると言えます。

ならば、せめて家庭内でいただく内食での加熱調理には、コーン油や大豆油、ひまわり油、綿実油などのサラダ油の使用を控えるべきだと言えましょう。

じゃあ、サラダ油の代わりにどんな食用油を使えば良いのか?

今回のトピックの筋から言えば、うつ病の発症リスク抑制効果が確認されたオメガ3系脂肪酸の代表的な脂肪酸であるα-リノレン酸の油に変えてあげれば、より一層の効果が期待できそうです。

ちなみにα-リノレン酸の油には、亜麻仁油やエゴマ油、シソ油など、少々高価ではありますが、今や健康志向の方にはお馴染みの名前が並んでいますね。

しかし、結論から言えば、残念ながらこれらはどれも熱に弱く、酸化しやすいため加熱料理には向きません。その意味では、α-リノレン酸はオメガ6脂肪酸であるサラダ油の代替にはなり得ないのです。

加熱調理に強く、強力な抗酸化作用が期待できるオメガ9脂肪酸を

そこでサプリメントマニュアルがオススメするのは、加熱によって酸化しにくい特性を持ち、強力な抗酸化作用が期待できるオリーブオイルやキャノーラ油などのオメガ9系脂肪酸の活用です。

例えば、現在使用しているサラダ油をオリーブオイルに変えるだけで、オメガ9脂肪酸の優れた特性を損なうことなく、さらに魚介類やオメガ3脂肪酸のうつ病に対する効果を相殺することもないわけですから、これを利用しない手はありません。

オメガ3脂肪酸系サプリメントの活用も

また、魚介類の摂取を無理に増やすことでEPAやDPAを摂ろうとするのではなく、これらの栄養素をサプリメントによって摂取すれば、サラダ油による効果の相殺を回避することができるかも知れません。

ただし、食した魚介類からではなく、サプリメントによって摂取したオメガ3脂肪酸が、うつ病の予防や改善に役立つことを示す明確なエビデンス(証拠)は、残念ながら現時点ではまだないようです。

ただこれも、サプリメントによって摂取したオメガ3脂肪酸がうつ病に効くことを証明できていないだけで、効果がないことを証明するものではありません。

実際、つい昨年にも話題になった、オメガ3脂肪酸サプリと抗うつ薬の併用により、うつ病の治療効果を向上させる可能性を示した報告など、有望な報告が次々に寄せられている現状から考えると、サプリメントに期待するのも十分にアリだと考えています。

【結論】サプリメントマニュアルからうつ病に不安のある方への3つのアドバイス

以上、現状において今回の研究成果を、何らかの形で実生活に活用できないかについて、様々な角度から考えてみました。

最終的な結論として、サプリメントマニュアルからうつ病に不安のある方へアドバイスをするとすれば、次の3点になります。

  1. 日々の食生活の中で魚介類、特にEPAやDPAを豊富に含む青魚を、無理のない程度に増やしてみる
  2. 加熱調理に使っているサラダ油を、オリーブオイルなどのオメガ9脂肪酸系に代えてみる
  3. 青魚が苦手な人は無理をせず、オメガ3脂肪酸系のサプリメントに期待してみるのもアリ

以上3点のうち、特に上の2点については、実践することによるメリットこそあれ、健康上のデメリットはほとんど見当たりません。

むしろ、オリーブオイルや魚介類を中心とした地中海食の健康効果については、今回のうつ病のみならず、動脈硬化や心疾患、脳卒中、糖尿病など様々な健康効果が期待できることを考えると、試してみない手はないと言えますね。

なお、オリーブオイルの健康効果については、当サイトでは独立したカテゴリを設けるほど力を入れているポイントです。この機会にオリーブオイルに関するその他のトピックスもチェックしてみてはいかがでしょう。

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Category : サプリに関する最新報告